クラウドソーシングを装って「ライターをやりませんか?」と
呼びかけてくるアフィリエイトサイトには注意しましょう

ライター募集の件でおたずねいたします。 http://bihada-mania.jp/ このサイトで、美容ライターを募集していて、 簡単に採用いただけるような、感じです・・・ 会社の概要など、まったく載っていませんし、 この会社は、素人のライターを簡単に採用して、 どのように利益を得ているのでしょうか?

A:サイトの信頼性について、かなり心配されているようですね。かなり好意的に見れば、このようなサイトは、クラウドソーシングと言って、ウェブ上の集合知の新しい形態と言われています。

集合知を上手に活用したサイトでは、Wikipediaやはてなブックマークといったサービスがあり、Twitterもそのようなサービスのひとつかもしれません。そんな集合知の進化系として、2005年にAmazonがAmazon Mechanical Turkとよばれる、集合知の充実にコミットしたアカウントに報酬(インセンティブ)を設けるというしくみ(マイクロタスクのマーケットプレイスとも表現されます)を通じて、集合知によって得られる結果をより確実なものにしようとした試みです。

一方、ご相談いただいたサイトの場合は、おそらく化粧品や健康に関する情報の書き手を外部に求めることにより、データベースや記事の迅速な充実をはかるとともに、サイト運営者側のリスクを低く抑える狙いがあると思われます。企業にたとえるならば、終身雇用で社員の給与負担が大きかった企業が、より多く派遣労働者を雇う方向にシフトすることで、財務体型をよくしようとするのと似ています。ライターと呼ばれる書き手側が得られる報酬はあまり多く無いかも知れませんが、運営者、書き手ともに一定のラインでWin-Winの関係を結んでいると考えることもできます。

ですので、書き手としてあなたが提示された報酬に満足できるのであれば、こう言ったサイトに参加するのもよいでしょう。サイトの端々をみて、信用できるかどうか判断し、自分が信用できないと判断できたのなら参加しないのもあなたの裁量次第です(気をつけてください、こう言い含めて判断力のないあなたを狙ってくる巧妙な運営者もいることは容易に想像できます)。

どうしても外で働きたくないとか、働けない状況がある場合は、むしろこういった「内職型」を選ばざるを得ない場合もあるかもしれません。あるいは自分の時間の充実のために低報酬でも取り組みたい、というの方には、ビジネスライクな関係をきっちり結べたのであれば、とても向いているサイトなのかもしれません(私だったら、こんな低報酬では絶対に引き受けたくありませんけどね)

いずれにせよ、依頼主としっかりした信頼関係が結べる事が大事なのではないかと思います。そのためにはお友達やウェブを使ったのビジネスに詳しい人に、このサイトがどうなのか?といった客観的な判断を仰ぐのもよいかもしれませんね(そういう方が身近にいないから質問をいただいているのかもしれませんが・・・)

さて余談ではありますが、冒頭で挙げたWikipediaとこのようなクラウドソーシング、どちらの方が優れていると思いますか?次にとても興味深いエントリがあります。お時間のあるときにぜひ目を通していただいて「集合知」とはなんなのか、人間のやる気とはなんなのか、などについて、思いを馳せてみるのも楽しいかも知れません。

やる気に関する驚きの科学
http://www.aoky.net/articles/daniel_pink/dan_pink_on_motivation.htm

以上、ご参考まで。